デバイス 半導体や電子部品を使い倒す
 

「理系離れ」と「オモチャ」

中島 募=日経エレクトロニクス
2013/03/18 05:00
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 「最近は工具の使い方を知らない親御さんが多くて驚いています。これじゃあ、お子さんたちが理科離れしてしまうのも仕方がないですね」――。

 ある電子部品のメーカーを取材した時に、担当の方がこんなことを言っていました。その部品メーカーは、親子参加の工作教室を定期的に開催していますが、夏休みの終わりごろになるとお子さんの工作課題のために申し込みが殺到するとのこと。はんだ付けの方法も分からない親御さんが多く、手取り足取りで教える必要があるそうです。言われてみれば私自身も数年前にパソコンを自作した以外では、モノを組み立てたりすることから久しく遠ざかっています。工学部出身の自分がそうですから、そうでない親御さんは言わずもがなだと思います。

 近年、若い人たちの理科離れが深刻化していることが社会的にも問題視されています。大学の工学部への進学を志望する人は、ここ10年で半減したとも言われています。こうした中、理系離れに歯止めをかけるための学習教材として、組み立て型のロボットに注目が集まっています。大学や工業高校、高等専門学校だけでなく、普通高校や小学校、中学校でも、独自に教育カリキュラムとしてロボットを組み立てる授業を設けているそうです。例えば、デンマークLEGO社の「レゴ マインドストームNXT」は全国3000以上の学校(小学校、中学校、高校、大学、専門学校)への導入実績があります。マインドストームを使ったロボット・コンテストも盛り上がっていて、国内からの参加チームが年々増加しているとのことです。

 私はこの話を聞いて「理系離れを懸念している教育関係者は、もっとオモチャに目を向けるべきではないか」と思うようになりました。「「デジタル機器」と「おもちゃ」の境界線」でも書きましたが、最近のオモチャはデジタル機器を由来とする技術を応用して、どんどん高機能・高性能化しています。

 その中でも日本のオモチャは、独創性や品質、技術の進展において、今も高い国際競争力を維持していると言われています。近接無線通信を用いた変身ベルトや拡張現実感(AR:augmented reality)の技術でスマートフォンと連動するフィギュア、各種センサを搭載するラジコンなどのハイテク・オモチャが続々と登場しているのです(弊誌3月18日号の特集「オモチャに載れ」では、こうしたオモチャの技術動向を取り上げました。ご興味を持たれた方はぜひご一読ください)。組み立て型ロボット以外にも、教材として有用なオモチャはあるのではないでしょうか。

 たかがオモチャ、されどオモチャです。子供にとってオモチャは大きな関心事ですから、興味を引くにはもってこいのツールと言えます。例えば、最新のオモチャに用いられている技術の原理や仕組みが分かりやすく学べる機会があれば、技術(理工)に関心を持つ子供はもっと増えると思います。

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