台湾TFT-LCD大手のInnolux社(以下、同社)は、2013年2月26日に2012年第4四半期(4Q)の決算説明会を実施した。4Qの売上高は1296億300万(1296.03億)ニュー台湾(NT)ドルだった。対前年同期比(YOY)は-1%で、対前期比(QOQ)はほぼ横ばいだった。

 売上総利益は94.66億NTドル(YOYは黒字転換、QOQは+123%)、営業利益は31.38億NTドル(YOYは黒字転換、QOQも黒字転換)と10四半期ぶりに営業利益が黒字転換した。ただし、30億NTドルを超える反トラスト法対応関係の引当金計上により、当期純損失は32.51億NTドル(YOYは赤字縮小、QOQも赤字縮小)となった。売上総利益率はQOQで+4.0%ポイント改善の7.3%、営業利益率は2.4%。稼働率は95%(3Qも95%)。在庫は42.035億NTドルと3Qの503.04億NTドルからQOQで-16%。在庫回転日数は3Qの41日から35日(期首期末平均、原価ベース)に低下した。

12年通年では189億NTドルの営業赤字

 12年通年では、連結売上高は4809.13億NTドル(YOYは-4%)、売上総利益は49.31億NTドル(同 黒字転換)、営業損失は-189.00億NTドル(同 赤字縮小)、当期損失は-292.71億NTドル(同 赤字縮小)。売上総利益率は1.0%、営業利益率は-3.9%。設備投資額は171.38億NTドル(同 -62%)。12年の大型パネルの出荷枚数は1億4680万枚(同 +5%)、中小型パネルが4億700万枚だった(同 -3%)。

 一方、4Qの大型パネルの出荷枚数は4840万枚でYOYは+9%、QOQでは-6%である。平均単価(ASP)は88米ドル(3Qは84米ドル)とYOYで横ばい、QOQでは+6%になる。中小型の出荷枚数は1億1400万枚とYOYで-1%、QOQでは+6%だった。アプリケーション別売上構成(金額ベース)はテレビ向けが42%(3Qは43%)、モニター向けは19%(同19%)、中小型は21%(同20%)、NB(ノートブック・パソコン)向けは14%(同16%)、その他は4%(同2%)である。

 続いて、13年1Qの見通しを紹介する。(1)大型パネルの出荷量はQOQで-11~14%(Low teen)程度。ただし、平均サイズの大型化により面積換算ではQOQで7~9%(High single digit)程度の減少に留まる。なお、YOYでは2桁の伸びを見込む。(2)中小型パネルの出荷量はQOQで7~9%(High single digit)程度の減少。YOYでは2桁成長を見込む。(3)稼働率は95%程度を維持したい。需要は減少するが在庫水準が低いので、下期に向けて多少在庫を積むこともあり得る。