Apple製品向けの部品需要とパソコン関連が厳しい

 12月から調整色が濃くなっていた米Apple社向け部品・部材供給は、1月に入りその傾向がさらに顕著となっている。「iPad mini」向けは依然として好調を維持しているが、部品系に関しては「iPad」「iPhone 5」ともに大幅減少。「iPhone 4S」は逆に若干の追加発注があるものの、12月まで増収基調が続いていた完成品アセンブリのHon Hai PrecisionはMOM2桁減収となった。アプリケ-ション別では、おおむね季節要因による調整がある。特にパソコン関連の落ち込みが大きい。部品でも同様の動きだ。

 Apple社が不調の中、最大のライバル韓国Samsung Electronics社がスマ-トフォン、タブレットPC 共に2013年の販売目標を引き上げていると見られる。スマ-トフォンは合計で3億台としていたが3億4000万~3億5000万台へ。タブレットに関しては、7型と10.1型に続いて8型などへの多機種展開で拡販を図り、2012年実績の1400万台に対して2013年はその3倍以上と相当な積極姿勢を見せている。

 一方、Appleには目立った動きが見られない。2012年第4四半期(4Q)には、パネルで4500万、製品で4000万 程度の生産・出荷であったとみている。当初計画を前提として既に大量(4Qで5000万台以上)の生産・出荷を行っている部品メーカー(主要部品やコモディティ系部品のメーカー)にとっては、次の2013年1Qにおいて4500万~5000万台を生産・出荷することが、予期せぬ生産調整を回避する条件と考えていた。

 しかしながら、足元のバリュ-・チェ-ンの動きからは、1Qのパネル生産・出荷は当初の3500万台から3000万台以下へ、製品生産は2500万以下にまで修正されそうな状況にある。前月比でもさらに部品の所要は減少、月次でのボトムは2月ではなく3月となりそうである。2Qについても、現時点では力強い回復は想定しにくい。