エネルギー
 

進む二酸化炭素の農業利用――温暖化の「悪玉」を有用資源に

金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
2013/03/13 00:00
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 発電機の稼働で生まれる電気のほか、排熱も利用する「コージェネレーション(熱電併給)システム」が、エネルギーの利用効率が高い省エネ技術として広まりつつある。

 加えて、排気に含まれる二酸化炭素(CO2)をも有効に使う「トリジェネレーションシステム」と呼ばれる仕組みも注目され始めた。トリジェネレーションには、CO2を作物の生育増進に利用する「農業トリジェネレーション」と、アルカリ廃液の中和に利用するなど、工業的に使う「工業トリジェネレーション」がある。世界的に利用が広がっているのが農業利用だ。

総合熱効率は90%超

図1 Houweling's Tomatoesのトマト栽培風景
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図2 Houweling's Tomatoesに設置したGE製のガスエンジン
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 米カリフォルニア州キャマリロにあるHouweling’s Tomatoesは、125エーカー(約0.5平方キロメートル)もの温室で年間数百万個のトマトを生産している(図1)。同社は、非遺伝子組み換え作物に限定しているほか、地球環境の視点からも、持続可能な農業に取り組んでいることで知られている。5エーカー(約2万平方メートル)に太陽光パネルを敷き詰め、雨水タンクの水を循環利用するなど環境負荷を低減している。

 加えて2012年8月、全米でも珍しい高効率の分散型エネルギーシステムを導入した。米GE(ゼネラル・エレクトリック)製の8.7MW(メガワット)のガスエンジンを設置(図2)。発電時の排熱を温水に変えて温室の加温に利用するとともに、作物の生育を促進するため、CO2濃度の高くなったガスエンジンの排気を温室に送り込むトリジェネレーションを構築した。

 発電効率は45.5%で、排熱利用を含めたコージェネシステムの総合熱効率は90%を超える。温室に投入される排気中のCO2は、年間で2万1400tに達する。ガスエンジンは、地域の電力需要がピークに達する昼前後を中心に稼働しているので、負荷平準化に貢献することにもなる。

 ハウスに投入されたCO2は日中、作物の光合成に利用され、生育の増進に寄与する。排気中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、その他の微量の有害物質は、触媒によって、地域の大気汚染管理基準を下回る値まで低減している。

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