次世代工場 工場の将来像が見える
 

地味だから面白い生産技術者の視点

木崎 健太郎=日経ものづくり
2013/03/07 07:00
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 2013年3月22日に予定している「JTNフォーラム2013Spring」の「ものづくりトラック」では、日経ものづくりのコラム執筆者のほか、メーカーの「強い工場」を支える方々にご登場いただきます。そのうちのお一人は、トヨタ自動車工程改善部部長の中村尚範氏。同社の生産現場でロボットの導入を推進してこられたお立場です。

 1月にメールで講演内容についてやりとりをさせていただいた時、Webサイトの案内には特に「生産技術エンジニア」の文字を入れてほしい、という要望をいただきました。当該の文章を見ていただければ分かると思いますが、最後の「…トヨタ自動車の生産技術エンジニアがFAロボットの現状と今後を語る」の部分です。当方としても講演ならびにセミナー全体をより明確にできる表現で大変ありがたいと思いましたが、中村さんの意図がどこにあるのかそのときは十分には分かりませんでした。

 大変恐縮ながら中村さんにはこれまでお目にかかったことがなかったので、2月に入ってごあいさつに伺ったとき、講演内容のロボットの話題と並んで、生産技術自体についてのお話もお聞きできました。生産技術の仕事は外部からはなかなか分かりにくく、私も日経ものづくり2011年10月号の特集「生産技術の底力」を担当する前と後では認識が全然変わってしまった、と申し上げたところ、以下のようなお言葉をいただきました。

 「例えば、新しく入社した技術者はクルマの設計を希望する人が多いし、中には生産技術部門に配属になると少しがっかりしたように見受けられる人もいる。確かに、設計に比べれば社外から注目されることも少なく、地道な職場といえるかもしれない。しかし、生産技術の仕事はやってみると、だんだん面白さや奥の深さが分かってきて、むしろやりがいを感じてもらえるようになる」。

 この、生産技術の面白さや大事さを伝える機会になれば、という気持ちで講演をお引き受けいただいたことから、「生産技術エンジニア」の文字が特に重要だったようです。

 ご存じのように、トヨタ自動車は生産現場でロボットを大量に使っているだけではなく、先進的な活用方法を模索しています。その象徴的なものの一つが、高岡工場のスペアタイヤ積み込み工程に導入した、人と共存するロボットです。普通、産業用ロボットはフェンスを設けて作業者から隔離しなければならないところを、ロボットを駆動するエネルギを抑える工夫で、作業者と協調作業ができるようにしました。

 シンプルでスリムなラインを目指すと、ロボット自体の小型化に加えて、ロボットと他の設備が近づくことへの配慮も必要になるとか。例えば、今までより熱の発生源に近づいたロボットは、軸受のグリスがおかしくなって寿命が短くなるなど、「それまで思ってもみなかった現象が起こる」のだそうです。しかし、生産設備として平均故障間隔(MTBF)4万時間の確保は必須。そこでどうするか――。こういったお話も、当日伺えることと思います。

 同トラックでは、日経ものづくり2013年3月号「羅針盤」に登場していただいたダイヤ精機取締役社長の諏訪貴子氏、同2012年10月号特集「国内で造る」で取材させていただいた富士通パーソナルビジネス本部長代理(生産担当)の内藤真彦氏、そして同連載記事「これがムダなんや」の山田日登志氏にも講演をお願いしました。日本国内の工場の未来を見ていただければと思います。

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