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スマホ訴訟が示す特許政策、「独占より公共」重視の姿勢鮮明に(2)

植木 正雄=スターパテントLLP代表パートナー
2013/03/06 07:00
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FTCの方針はECと基本的に一致

 米FTC(Federal Trade Commission:連邦取引委員会)は、連邦の独占禁止法と消費者保護法を管轄する組織である。不公正な競争方法および不公正又は欺瞞的な行為又は慣行を規制する連邦取引委員会法(FTC法)第5条に基づいて、2012年7月以来、Google社とその子会社であるMotorola Mobility社(これ以降は総称して「Google社」)による標準必須特許に基づく差し止め請求問題について独自調査を行ってきた。FTCは、2013年1月3日付けでその正式な調査結果として、Google社と同意命令を含む契約書(同意契約書)を締結し、和解したことを発表した(ファイル番号121-0120)。

 そのなかでFTCは「Google社がITCで排除措置命令を請求したり、連邦裁判所で差し止め命令を請求したりすることによって、ライセンスを受ける意思がある者に対して交渉力を強め、FRAND範囲を超えるロイヤルティやその他のライセンス条件を要求する行為は、不公正な競争方法および不公正または欺瞞的な行為または慣行を規制するFTC法第5条に違反する」と結論付けた。その結果、Google社は、同意契約書に基づき、FRAND特許についてはライセンスを受ける意思がある者に対してITCの排除措置命令や裁判所の差し止め命令を請求することが禁じられることとなった。

 ここで、FTCの立場から必須特許問題の現状を改めて確認しておこう。標準技術は民生用電子製品をはじめとする広範な製品においてそれらの互換性を確保する上で重要な役割を担っている。それらの製品のメーカーは前述のETSIや米IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers;米国電気電子学会)、ITU(International Telecommunication Union; 国際電気通信連合)などの標準化団体に参加して、技術標準を策定していく。技術標準化が進むことによって、多くのメーカーが共通の技術基盤で互換性のある製品を大量生産して市場が拡大し、さらに新規参入が促進される。そして、市場競争の活発化は、製品の選択肢を広げ、製品価格の低減を通じて消費者に大きな便益を与える。

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