お陰で個食の時代を迎えた。ちゃぶ台を囲んだ家族の食事から,「チン」するだけの個食。引き籠もりも,閉じ籠もりも冷蔵庫と電子レンジの産物である。「和」という漢字は禾偏に口。皆でコメを食べることが和である。大和の文化が和であるなら,冷蔵庫は和を破壊した。

 21世紀,食はどこにいくのであろうか?現状,グルメ―モードとサプリモードと二つに分かれているようである。前者は素材や料理法に拘る食執着型。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やWebを使って,おいしい店情報を共有している。人によっては毎食カメラで撮影してWebなどにアップしている人もいる。これは,大和を越える世界の和へつながるのか?

 一方は,食は栄養補給程度と考えている人々である。食の軽視派である。好きな時に手近かなものを口入れれば良しとする人々で,スナック菓子でもOKという方々である。もちろん,グルメ派でもなく,サプリ派でもなく,自らが耕やし自らが収穫するという原点回帰を唱える勢力もある。多様性の中,技術は進んでいく。