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Sam Rogan氏(ザイリンクス 代表取締役社長)

量産効果をいかに享受するか、パッションを取り戻せ

日経エレクトロニクス
2013/03/28 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2011年4月4日号 、p.54 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 我々は、機器設計者が手元で自由に論理回路を変更できるFPGAのベンダーとして、国内外の機器メーカーとさまざまなビジネスを展開している。

 私が見る限り、通信機器や民生機器、医療機器などの分野において、日本の機器メーカーは現時点で、海外メーカーに比べて相対的に高機能・高性能の製品を先んじて投入できている。つまり、開発する製品そのものや技術、製品化のタイミングなどに問題があるとは思わない。

通信、民生、医療ではいまだ優位

米Advanced Micro Devices社に16年間在籍した後、Spansion Japanの副社長などを経て、2007年に営業部門を統括する副社長としてザイリンクスに入社。2008年以降、現職。(写真:新関 雅士)

 むしろ、国内メーカーの課題はビジネスモデルや販売戦略にあると考える。例えば、基幹系通信機器を例に取ると、国内メーカーの中には、まず日本のキャリア向けの機器を優先して開発するところがある。しかも、その開発に際して、試作などの段階ではFPGAを利用するのだが、その後、コスト削減のためにASICに移行する傾向がある。ハードウエアにこだわりがあるからだろう。この方法の欠点は、1機種当たりの出荷数量を増やしにくく、コスト低減が容易ではないことである。

 これに対して、中国Huawei Technologies社をはじめとする海外の大手通信機器メーカーは、全く異なる開発手法を採っている。開発の最初から最後まで一貫して、FPGAなどのプログラマブル・ロジックを利用する手法である。初めからグローバル市場を想定しているからだ。機器に搭載するLSIをプログラマブルなものにしておけば、ハードウエアを変更せずに、出荷先の地域ごとにちょっとした味付けができる。

 出荷先の地域によらず、同一のハードウエアを用いるメリットは、何と言っても量産効果を享受できることにある。海外の大手通信機器メーカーでは、一気に数十~数百万個のFPGAを購入して基地局などに搭載することは珍しくない。これぐらいの数量のFPGAを調達すれば、当然のことながら、チップの購入単価を低く抑えられる。グローバル市場に向けて莫大な数量の機器を出荷しているにもかかわらず、開発プラットフォームを2~3種類に絞っているからこそなせる業である。

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