図1
薄型テレビの国内出荷台数(台、JEITAのデータを基に作成)
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図2
薄型テレビの国内販売台数(万台、ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンのデータを基に作成)
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図3
薄型テレビの国内平均単価(経産省とBCNのデータを基に作成)
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 テレビ(テレビ受像機)の販売が大きく落ち込んでいる。電子情報技術産業協会(JEITA)が2013年2月21日に発表した1月における民生用電子機器の国内出荷額は、統計上比較可能な1999年1月以降、初めて1000億円を下回った(「電子機器国内出荷額が1000億円割り込む 1月、薄型TV不振」、 日経新聞電子版の記事)。大きな原因はテレビ販売の不振にある。薄型テレビの出荷台数は、33万3000台と7年ぶりの低水準だった(図1)。ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンによる2月20日の発表では、薄型テレビの販売台数は2012年に前年比60%下回った(Tech-On!関連記事)(図2)。

単価はブラウン管時代に逆戻り

 これらのニュースをきっかけに、テレビ関連の統計資料を集めた。テレビ・メーカーにとって深刻なのは販売・出荷台数だけではないようだ。単価の落ち込みが激しい。国内における平均販売単価は、ピークだった2007年から6割急落し、ブラウン管(CRT)型が主流だった1990年代~2000年代前半に近い5万円程度に落ち込んでいる(図3、4)。単価のみを見れば、薄型テレビはかつて国内メーカーが低付加価値品とみて撤退したCRT型並みの“価値”になったといえる。薄型テレビ市場が、買い替え需要主体となって、世帯数・人口に応じた販売しか見込めない点でもCRT時代と変わらない。

図4
テレビの販売平均単価(経産省のデータを基に作成)
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 テレビの平均販売単価は、2001年から、テレビ全体に占める薄型の割合が増えるにつれて高くなった(図4)。しかし、薄型比率が9割を超えた2007年に最高となり、その後は低下し続けている。電機製品の販売動向を調査しているBCNによると、2013年1月の薄型テレビ(液晶テレビとプラズマ・テレビ)の平均単価は4万7300円だった。経済産業省の「機械統計」(日経BPデータボードからもデータを入手可能)に基づき、メーカーの販売用出荷の価格(販売価格)と台数(販売台数)から割り出した平均単価は2012年12月に4万6394円である。