より軽く、より長持ちに。
Tech-On!のテーマサイト「クルマ」で、この2週間(2013年2月12~25日)読者の関心を集めた記事は、自動車関連の開発者にとって「永遠の挑戦」とも言うべき技術命題についての報道でした。
アクセス数の第1位は、お馴染み『日経Automotive Technology』の浜田基彦編集委員。ホンダが世界で初めて量産車に採用した、金属の新しい結合技術に関するニュースです(同編集委員のニュース「ホンダ、鋼とAlを結合する技術を開発し、世界で初めて量産車のドアパネルに適用」)。
結合させるのは、鋼とAl(アルミニウム合金)。これらを張り合わせて造るドアパネルは、従来の鋼製ドアパネルに比べて約17%の軽量化を実現しました。燃費の向上だけではなく、車体の重心が中心部分に集中するため操縦安定性も増すそうです。
新技術の特徴や工夫を説明する浜田編集委員の筆致は心なしか、いつも以上に軽妙で勢いのある印象。「各社が開発を進めてきたが、誰も成功しなかった」という技術革新の裏側にある技術者の躍動が行間から伝わってくるかのようです。
アクセス数の第2位は、「クルマ」と「充電」と「カメラ」をこよなく愛する、『日経エレクトロニクス』の久米秀尚記者がコラム「Editor's Note」で書いた「トヨタが注力するLi空気電池」という記事。Li空気電池は、ハイブリッド車や電気自動車(EV)に使われているLiイオン2次電池の次を担う技術候補の一つです。電池開発の大きな方向性の一つは、高容量化。燃費や走行距離に直結するだけの、「より長持ち」する電池の需要は、これからもしばらくはなくならないでしょう。
トヨタ自動車は、このLi空気電池の開発に積極的で、学会を中心に多くの成果を報告しています。久米記者は、トヨタで次世代電池の研究開発を指揮する開発者の言葉を紹介しながら、「ポストLiイオン2次電池」の開発の方向性を探っています。