爆発的に流行したスマートフォン(スマホ)とタブレットは、登場してから早くも数年がたち、我々の生活に欠かせない存在になる一方、次の革新的な製品は何だろうと期待する声も少しずつ多く聞こえている。

 一番期待されるのは間違いなく米Apple社だろう。しかし、「iPhone5」や「iPad mini」からみれば、Apple社はそろそろ限界ではないかとの声も最近はよく耳にする。そうした中、最先端家電やIT製品の展示会「CES」で2013年に最も注目されたのは、4K×2K(3840×2160画素)映像(4K映像)を表示する4Kの技術と有機EL(OLED)だろう。だが、私の興味を引いたのは、4KとOLEDではなく、「IdeaCentre Horizon Table PC」(以下、Horizon)という新ジャンルの製品と呼べそうなものだった。

 それは今までのPCやタブレットと違って、スマホとタブレットの次のヒット製品になる可能性を秘めた1つの革新的な製品と感じている。2013年のCESでも、Horizonは、数多くの賞(例えば、CNETのBest of CES Award Winners)を獲得し、大きな反響を呼んだ。そのメーカーは、既にグローバル企業である中国のLenovo社だ。

Horizonのコンセプト

 こんな風景を見かけたことはないだろうか。家族なのに、友人なのに、同じ部屋や同じテーブルの周りに座っていても、周りに誰もいないように無言で各人がそれぞれのスマホやタブレットに向かっている。時々、気に入ったアプリを見せたりするぐらいで、近くにいても遠い存在だ。複数の人が一緒に操作して楽しめる「Wii」のようなゲーム機もあるが、タブレットやパソコンのようなIT製品には、そうしたものはまだない。デジタル化が進んだ現在、家族の団らんにも新たな進化が求められているのだ。

 Lenovo社は、そのような場面を想定して、家族みんなで共有できるHorizonを創り出した。それを通じて、一緒に見る、聞く、触る、いわゆる昔の家族の団らんの風景を再現する新たな基軸の利用シーンを提案したのだ。

 では、Horizonは具体的にはどのような製品なのか。同社のデモ映像はそのイメージをとても分かりやすく伝えた。ノートPCとして仕事ができる以外に、テーブルの上に置いてマルチユーザーでゲームなどを利用する、背面のスタンドを使って立たせて大画面で動画を楽しむ、といった使い方ができる点が最大の特徴だ。同社はHorizonを新カテゴリである「Table PC」と位置付けた。

 Horizonには、お絵描きアプリなどのマルチユーザー・ゲームがプリインストールされている。また、独自のアプリストア「Lenovo App Shop」で数多くのマルチユーザー向けエンターテインメント・アプリも提供する。ハードとソフトの両面でマルチユーザーが使う「Table PC」というコンセプトを実現する。