成形女子こはく—プラスチック工場物語 社員・製造現場編、大吉・ひのもとめぐる著、1,500円(税込)、単行本、145ページ 、三光出版社、2012年11月
成形女子こはく—プラスチック工場物語 社員・製造現場編、大吉・ひのもとめぐる著、1,500円(税込)、単行本、145ページ 、三光出版社、2012年11月
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 このほか、OFF-JT研修、工具の名称と使い方、技能検定受験案内、防災訓練、持ち場の掃除など、こはくは次々と新しいことを身につけ、たくましくなっていく。

 新入社員編よりも専門知識の量が多くなり、文字だけで解説するページも登場する一方で、少しでも読者を飽きさせないように工夫したのだろう。あこがれの先輩の不審な行動が伏線となって、最後に「こはく」の淡い恋心の結末が明かされるストーリーになっている。

 昨年7月に前著『成形女子こはく ―プラスチック工場物語― 新入社員編』を本欄で紹介したとき、最後に、
  「新入社員編」に続く第2弾が待たれる。
と書いた。

 「第2弾が待たれる」と書いた本人が言うのも何なんだが、実は、本当に出版されるとは思っていなかった。

 よーく考えてもらいたい。『成形女子こはく』は、若い女の子が登場しているが、アイドルものでも、恋愛ものでもない。教育マンガの一種であるが、ベストセラーとなった『ドラゴン桜』のように、潜在読者の多い受験業界を狙ったものではない。
 あわよくば話題になって売れる本を作りたい、そのためには、多くの読者にアピールするテーマを選びたい、という出版界にあって、プラスチック成形という限られた業界に的を絞っているのが『成形女子こはく』なのだ。