成形女子こはく—プラスチック工場物語 社員・製造現場編、大吉・ひのもとめぐる著、1,500円(税込)、単行本、145ページ 、三光出版社、2012年11月
成形女子こはく—プラスチック工場物語 社員・製造現場編、大吉・ひのもとめぐる著、1,500円(税込)、単行本、145ページ 、三光出版社、2012年11月
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 製造現場編は、社員に採用された主人公が張りきって出勤するところから物語がはじまる。
 軍手OK、作業服OK、身だしなみOK、お弁当OK! 行ってきます! と出かける「こはく」を、両親が嬉しそうに見送ったのだが、ふと見ると「こはく 成形マニュアル」というノートが置きっぱなしになっている。
 「こはくー、忘れ物ーっ」とバイクで追いかけるパパ。
 やれやれ、まだまだ、社員としての自覚が足りないようだ。

 そんなこはくも、社員となったからには新しい仕事を覚えなければならない。こはくの勤める会社では、パート・アルバイトは生産作業を行い、社員はそれ以外の作業全般を行っている。「それ以外の作業」は幅が広く、装置の起動、材料準備、材料作り、材料や消耗品の発注、伝票処理、人事・経理の仕事など、種類も多く難易度も高い。
 イケメンの石川主任が教育担当として、一つひとつていねいに教えてくれる。教えられたことをさっそく「こはく 成形マニュアル」にメモしていると、「シャープペンも芯が落ちるからだめだよー」とつけ加えられる。異物が材料に混ざってはいけないのだ。

 社員が担当する機械の立ち上げや清掃は、大きな機械を操作するので危険も伴う。メンテナンス中に間違ってスイッチがオンにならないよう、回転防止用ピンを必ず使わなければならない。教えてくれる主任のセリフの中で「回転防止用ピン」が太字で目立つように書いてあり、「ここ、重要!」ということを教えてくれる。