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 LEDメーカーは、一般照明器具向けの低コストなLEDが半導体照明の第3の成長をもたらすとみており、パッケージ基板や形状、蛍光体材料に関して、価格性能比のバランスを考慮しつつ、多くの選択肢を検討している。個々のパッケージの性能を改善することで、必要なパッケージの数を減らし、部材と製造のコストを下げている。最近までは、性能向上に重点が置かれていたが、現在では全体の最大45%を占めるパッケージ・コストの削減が重視されるようになった。

液晶の値崩れがLEDパッケージに新手法もたらす

 最近、液晶テレビのバックライトが、LEDの売上高の増加に貢献している。しかし、期待よりもそのペースが遅かったため、中出力のLEDの供給が過剰になってしまった。これらは標準化されたPLCC(plastic-leaded chip carrier package)を用いるため、スケール・メリットによってコストを引き下げることができる。これを照明向けに使うことは、以前は誰も考えなかった。しかし、過剰供給と低コスト化によって、かつては高出力LEDのみが使っていた電球代替用途やダウンライトなどの分野にも採用されるようになった。

 温かみのある光が好まれる傾向にあるため、冷たい光を放つ白色LEDよりもYAG(yttrium aluminum garnet)系蛍光体材料を使う白色LEDが注目を集めている。赤色の成分を加えるには二つの方法がある。一つは、システム・レベルで、YAG系蛍光体材料を組み合わせた青色LEDチップに赤色LEDチップを追加する方法。米Cree社と独Osram社が、この方法を採用している。第2は、赤く発光する蛍光体材料を加える方法。この材料は、一般には窒素化合物を使う。ただし、製造に時間がかかり、三菱化学が市場を独占しているためYAG蛍光体材料よりも10~20倍も高価である。