スマート社会を実現するエネルギー技術の情報をお届けする「エネルギー」サイトに投稿の全記事を対象に、直近2週間(2013年2月4日~2月17日)でアクセス数が多かった20本を紹介する。航空機に搭載されたLiイオン電池の話題のせいとは思えないが、電池に関する記事がベスト20には多数並んだ。
堂々の1位は、パナソニックが提案するLiイオン2次電池の新しい制御プラットフォームを紹介した記事である(同記事)。クラウド・サービスを組み合わせることでLiイオン2次電池の性能を安全に引き出せるのが、その特徴という。プラットフォームの名称は「LiEDO(リエド)」。「Li」はLiイオン2次電池で、「EDO」は“江戸”を意味する。これは、提案する制御プラットフォームの大きな目的として「Liイオン2次電池を用いて大気中のCO2濃度を減少させ、気象変動などの環境問題を解決する一助としたい」(パナソニック)という意図を込めているという。CO2濃度が280ppmほどで安定していた「江戸時代の水準を目指したい」(同社)とする。現在のCO2濃度は380ppm程度である。
続く2位の記事では、富士フイルムが有機系の高分子材料を用いて開発した新しい熱電変換材料が紹介されている(同記事)。同社は同材料を用いた熱電変換モジュールを「nano tech 2013」(2013年1月30日~2月1日、東京ビッグサイト)で披露した。有機系材料では「最高の熱電変換効率を示す」(同社)という。このモジュールは排熱を利用した発電シートとなり、ヘルスモニター用電源や、太陽電池の背面や工場の配管に付ける電源としての利用が期待される。
その次の3位は、2次電池関連の記事である。NECが、家庭用蓄電システムの生産設備を山梨県甲府市に構築し、量産を開始したという発表を紹介している(同記事)。同社はその量産ラインを報道機関に公開した(Tech-On!関連記事)。同社の完全子会社で、大型コンピュータやサーバーを生産するNECコンピュータテクノ(NECT)の甲府事業所内にこのラインはある。サーバーなどのBTO(build to order)生産で培った生産体制やトレーサビリティーなどのノウハウを蓄電システムに適用する。