4. 成都市の家庭向け血糖値測定器に大きな潜在市場

 成都市は「第12次成都市養老事業発展5カ年計画」を発表し、2015年に「9073」という養老事業の枠組みを形成することを目指している。「90」とは、高齢者の90%が自分で自分の世話をしたり、コミュニティのサービスを受けたりしながら、自宅で老後生活を送ること。「7」とは、高齢者の7%がコミュニティによって提供される様々な専門サービスを受けることで、コミュニティ内での老人介護ケアを実現すること。そして「3」とは、高齢者の3%が養老院などに入居して集中的に介護ケアを受けることを指す。一方で、政府は社会にも参加を呼びかけ、原則的に家庭における老後生活と社会における養老生活を結びつけて高齢者事業を推し進め、医療衛生水準の向上を目指している。

 われわれの消費者調査結果によると、成都市では50歳以上の中高年層の約9%が糖尿病を患っているにもかかわらず、血糖値測定器を持っている人の割合はわずか4%にとどまっている。中国では2010年の糖尿病患者数は9240万人に達しており、多くの人が糖尿病問題を抱えている。糖尿病の一歩手前にいる人だけで約1億4800万を数え、世界でも類のない糖尿病患者国でもある。このことからも、成都市をはじめ中国では莫大な家庭向け血糖値測定器のビジネスチャンスが潜んでいることが分かる。同国における血糖値測定器の市場規模は約32億人民元、近年の市場成長率は約17.3%に達すると見られる。つまり、成都市だけでなく中国全土で今後、血糖値をモニタリングできる製品の需要が急拡大することが予想されている。このため、関連企業は早急に拠点を設置して、中国の莫大な内需市場に切り込むべきである。