3. 中高年層の楽観的な生活の価値観は、家庭向け医療機器の普及を後押しする

 われわれが成都市の中高齢者を対象に実施した消費者のヘルスケア調査結果によると、老後の生活に対する価値観は全体に楽観的であることが分かった。「自分の老後の生活は他の人に比べて豊かだ」と回答した人が約79%、「自分の人生経験は他の人より充実している」と回答した人は約69%、「老後の生活に不安はない」と回答した人は約62%、「なんとかして自分の価値を証明できる」と回答した人は約62%もいる。老後の生活、健康、テクノロジー、消費に対する見方では、全体の約79%が「いつでもどこでも必要な介護が受けられるようにしたい」と考え、約70%が「年を取るにつれてヘルスケア商品に対する関心が高まった」、約66%が「中年になってから健康に特に注意するようになった」と回答した。

 このほか、健康関連技術に対する受け入れ度も非常に高い。全体の約73%が「今後、家族や友人から受ける介護よりもヘルスケア製品の方がずっと信頼できる」、約69%が「インターネット上で検索する健康情報は家族や友人から得た健康情報と同じくらい信用できる」、約67%が「老後も家族への負担を軽減するためにテクノロジー商品を使いたい」と回答している。

 成都市の消費行動には次のような特徴がある。

(1)ブランド意識の多様化。消費者は一つのブランドにこだわらず、様々なブランドを試す傾向がある。気に入ったブランドを使い続ける一方で、新しいブランドも受け入れる。全体の73.5%が「気に入ったブランドを使い続ける」と回答した一方で、「新しいブランドを試してみる」という回答者も40%いる。このような消費習慣から、新しいブランドや製品は比較的低いコストだと市場に参入できることが伺える。

(2)おしゃれ好き。買物に対しては非常にオープンで、40%近くの消費者が流行を追いかけている。

(3)外部からの情報も喜んで受け入れる。広告は商品購入時の重要な決め手となる。周りの人の意見にも耳を傾け、人から得た情報を別の人に伝えることも大好きで、その口コミの影響力は無視できない。

(4)販促活動に左右される。消費者の70%近くが割引、プレゼント贈呈、懸賞活動などの販促活動を好む。

(5)買物の場所の雰囲気を非常に重視し、「皆が買っていれば自分も買う」というのが大きな特徴。にぎやかな雰囲気に呑まれて衝動買いする傾向がある。そのため、多くの商店ではわざと人気を装った販促活動を行うことで、消費者を心理的に誘導して目的を達成している。

(6)買うかどうか決めるのは自分。お気に入りの大型スーパーやチェーン店に出かけて自分で商品を選んで購入する。販売員に接客されたり、押し売りされたりするのを嫌がる。