Tech-On!のテーマサイト「ディスプレイ」で、この2週間(2013年1月31日~2月13日)におけるアクセス記事ランキングを見ると、市場と技術の変曲点を感じさせる記事に読者の関心が集まった。
トップの「大型液晶パネルの価格と仕様の“常識”が崩壊、世界の弾薬庫となりつつある中国市場」は、これまでディスプレイ需要の牽引役だった中国市場が、ここへ来て世界市場にマイナスの影響を与える恐れを指摘している。2011年11月、テレビを含む家電製品への補助金政策の打ち切りが発表され、需要は落ち込み出した。2012年に入ると、供給が需要を大幅に上回る状況となって価格が暴落している。かつての成長エンジンは、もはや世界の「弾薬庫」となりつつあると、この記事は示す。こうした市場の変化を感じている読者が、強い関心を持って読んだのではないだろうか。
2位となった「逆転の発想! 極端な位相差により光学等方性フィルムの置き換えを狙う「コスモシャイン」を東洋紡が開発」は、液晶ディスプレイの画質劣化の一因を新発想の技術を盛り込んで解消しようとしたフィルムに関する。同じ技術を日本経済新聞では「液晶の次も液晶、「夢のフィルム」で有機EL超える画質」(有料記事)と紹介している。テレビ市場における強烈な価格低下圧力の中で、既存の液晶の安価な高画質化に注目が集まった。一方、液晶の“次世代”と目されている有機ELは、一層の低コスト化を進める必要がある。有機ELテレビに関する記事は、4位と5位にランクインした。
有機EL照明についての記事は11位と14位に登場。照明においてはLEDの次は有機ELとのコンセンサスがある。既存のLED照明の低価格化が進む中での有機EL照明の製品化に向けた記事だ。