高速道路の速度違反をETC(電子料金収受システム)で取り締まれるか――。
Tech-On!のテーマサイト「クルマ」は、この2週間(2013年1月29日~2月11日)、『日経Automotive Technology』の浜田基彦編集委員による問題提起で盛り上がりました(同編集委員のEditor's Note「速度違反です…ただし平均速度で」)。
ETCを使うことで、高速道路の入口と出口間の距離と、通過した際の時刻が自動で分かる。「そこから算出した平均時速で速度違反を取り締まってはどうだろう」という内容です。ドライバーからすると、かなり身近な話題だけに読者からは多数の意見が寄せられました。
想像通り(?)、多くは「反対派」です。
「論理破綻している」「余計なお節介」という手厳しい意見から、「もっと違うところに目をむけるべきです。今の日本の高速道路は、危険な運転をする人より、追い越し車線に居座って、スムーズな流れを妨げる、マナーの悪い人の方が多い」というドライバーのマナーを議論する意見、そして「考え方は面白いですが、最後に述べられているように今の規制(一般高速100km/h)が妥当かどうか、その点から議論しないと始まらないでしょう」と、制度面を冷静に分析する声まで。
速度違反の取り締まりは法規制や技術的な可能性という論理性を求められるテーマであると同時に、個人の趣味嗜好という論理的には説明しにくい感性の話題でもあります。「技術的には実現できる」という意見の一方で、制度の抜け道を指摘する声もありました。「施行してもらってもいっこうに構わない。大好きなクルマでめいっぱいトばすためならSAでの時間調整は喜んでする」とのコメント。サービスエリア(SA)で時間調整すれば、いくらでも平均速度は下げられるではないかというわけです。
個人的には、時速100kmを超えると「うわー、運転するの怖ぇー」と思ってしまう“へたれドライバー”なので、この取り締まり手法は「ありかな」とも思ったんですが、世の中的にはあまりそうではないということなのでしょう。確かに法規制による社会ルールが際限なく増える方向は、あまり好きではありませんけれど。