台湾TFT液晶パネル最大手の一角を占める台湾AU Optronics社(AUO社)が、2月6日、2012年4Q(第4四半期)決算説明会を実施した。連結売上高994億NTドル(YOY+11%、QOQ-3%)、売上高総利益28億2200万NTドル(同黒字転換、黒字転換)、営業損失47億6200万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)、当期損失131億7200万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)。売上高総利益率は2.8%(3Qは-1.8%)。営業利益率は-4.8%(同-8.9%)。当期損失の大幅拡大は営業外で43億NTドルの減損(資本参加した太陽電池メーカーのエム・セテックの影響)や33億NTドルの引当金(反トラスト法関係)を計上したためである。

 出荷数量は大型パネルがYOY(対前年比)+16%、QOQ(対前四半期比)-7%、面積はQOQ+4%、ASP(平均単価)はQOQ-3%。中小型パネルは出荷数量が同-19%、-11%、面積が同+3%、ASP-3%。出荷面積は547万3000m2(YOY+32%、QOQ+4%)。ASPは全体が平米当たり596米ドル(QOQ-3%)。在庫はQOQ-10%(3Qの472億9500万NTドルから4Qに425億8600万NTドル)、在庫回転日数は42日(3Qは43日)。EBITDAマージン(利払前・税引前・償却前の利益の売上高に対する比率)は13.5%(同11.2%)。

2012年通年では赤字が縮小


 2012年通年では、連結売上高3784億7100万NTドル(YOY-0.3%)、営業損失-378億6500万NTドル(同赤字縮小)、当期損失-559億700万NTドル(同赤字縮小)。売上高総利益率は-2.3%とYOY+5.1%ポイント改善。営業利益率-10.0%と同+5.2%ポイント改善。営業キャッシュフローは357億1300万NTドル(同+146%)、設備投資額は431億400万NTドル(同-24%)。2012年通年での大型パネルの出荷枚数は1億2320万(同 +8%)、中小型パネルが1億5450万(同-18%)。

1QはQOQ-7~9%、ASPは上昇を見込む
 2013年1Q見通しのポイントは以下4点。

(1)大型パネルの出荷数量は「high single digit % down」と表現していることからQOQ-7~9%程度

(2)大型パネルのASPはテレビ用パネルの平均サイズ上昇などプロダクト・ミックス改善によってQOQ横ばいから若干の上昇を見込む

(3)中小型パネル出荷数量はQOQ-20%以上の減少、ASPはタブレット端末向けの増加によってQOQ+10%以上の上昇

(4)稼働率はQOQで若干の低下