ナノ素材関連では、11位に「東レ、世界で最も細いナノファイバを開発」、19位に「NECがカーボンナノホーンの販売を開始、1日1kg以上量産可能な装置で可能に」というニュースがランクインした。東レが開発したのは、直径が150nmと従来の半分の世界で最も細いナノファイバ。半導体や液晶パネルのガラスを製造するクリーンルームのエアフィルタなどに適するものだ。同社は数年内の量産化を目指している。

 NECが販売を開始したカーボンナノホーンは、キャパシタやアクチュエータ、燃料電池、薬物輸送(ドラッグキャリア)など、幅広い用途への適用が期待される素材。純度が95%と高いカーボンナノホーンを1日1kg以上量産可能な技術の開発と装置の稼働実証に成功し、今回、販売を本格化したという。

 制御関連では、5位に「NTTと阪大、電通大、生物のゆらぎアルゴリズムを仮想ネットワーク制御に『世界で初めて』適用」、8位に「三菱電機、産業用ロボット向けに小型3次元ビジョンセンサを発売---バラ積み部品の取り出し・整列作業を自動化」というニュースが入った。NTTなどが共同開発した制御技術を使うと、事前に予期できない災害や重大な事故が発生した場合に、迅速にネットワークを復旧することが可能になるという。

 一方、三菱電機が発売を開始したビジョンセンサは、部品の取り出しや整列に時間がかかるという理由から適用が敬遠されていた「ロボットによるバラ積み部品の取り出し・整列作業」を、適用しやすくするものだ。同作業では、バラ積みされた部品の山から取り出す部品を選び、ロボットハンドが入りそうな隙間を探して同部品をつかむ位置(把持位置)を決めなければならない。同ビジョンセンサを使うと、そうした把持位置を最短1.2秒で認識でき、部品の取り出しや整列に要する時間を大幅に縮められるという。同ビジョンセンサは、同社の産業用ロボット「MELFA」のオプションという位置づけになる。