先日あるところで聞こえてきた会話です。

「日本はもっと技術を磨かなければならない」「海外メーカー○△社のテレビの画質なんて専門家によるとまったくなっていないらしい」「テレビ事業は諦めてはいけない。守り抜かないといけない」熱い思いは伝わってきますが、諸手を挙げて賛成はできかねるというのが私の正直な感想です。

B2CがダメだからB2Bなのか?

 こういった意見がある反面、先日パナソニックの津賀一宏社長は、1月に開催された展示会「CES」(2013 International Computer Electronics Show )の会見で「将来、パナソニックは自動車メーカーになるかもしれません」と自動車事業を拡大する意思について語ったと報道されています。パナソニックは重い腰を上げてやっと新規事業へと大きく舵を切ったということでしょう。

 新政権になってから、日本の成長戦略をどのように作り上げるかという話がマスコミを通じて聞こえてきますが、やはり日本の技術的な優位を基盤にしている話が多い印象を受けるのです。

 私は新規事業の育成などの切り口がこれからは重要になる、いやそれどころか、そこに注力して新しいビジネスを切り開くことも必然になってくるのではないかと思っていました。しかし、なかなか過去の成功体験に縛られてそこから脱しきれないもどかしさも感じていました。