数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月
数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月
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 アインシュタインの相対論がどれだけ画期的か、物理学の世界にどれだけ決定的な足跡を刻んだかを理解することができるのだ。たとえ、おぼろげながらでも……。

 ちょっとだけ種あかしをすると、画期的な足跡とは、次のような内容である。

(1) 以前から知られていた事実を以前の理論よりも正確に説明した。
(2) 以前の理論ではまったく説明できていなかった事実を説明した。
(3) 以前はまったく知られていなかった事実を予測した。

 リリアンは言う。
  そしてこれらはすべて、
  「こじつけ」や「強引」などまったくなしに
  きわめて少数のきわめて理にかなった仮定を使って
  成し遂げられた。

 「きわめて少数のきわめて理にかなった仮定」を、たった345ページで理解した気にさせてくれる。
 これほどおトクな本はない。

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■著者紹介 浅沼ヒロシ(あさぬま・ひろし)
ブック・レビュアー。
1957年北海道生まれ。
日経ビジネス本誌、日経ビジネスオンライン連動企画「超ビジネス書レビュー」(2011年9月終了)のほか、「宝島」誌にも連載歴あり。
ブログ「晴読雨読日記」、メルマガ「ココロにしみる読書ノート」の発行人。
著書に『泣いて 笑って ホッとして…』がある。
ツイッターアカウント:http://twitter.com/syohyou