数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月
数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月
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 しかし、しか~し、何しろ相対論を数式で解説しようというのだ。それ相応に難しい内容であることは覚悟しなければならない。
 登山道というものは、最初はなだらかだがで、やがて坂道がきつくなっていくものだ。本書も同じように、徐々に内容が難しくなっていく。やがてどこかで、「分かる」ことを諦めなければならない地点がやってくることを予感させる。

 ただ、ありがたいことに、私たちは読者であって「著者」ではない。著者は自分が展開している理論の結論を見すえながら、途中過程も一つひとつ説明したり証明したりしなければならない。しかし、読者は証明過程が難しくなっても、各章の結論部分を受け入れていけば、先へ進むことはできる。
 理解度の差はあれ、読み通すことで、頂上に立つこともできるのだ。

 さて、これから登山をはじめる前にお知らせしておきたいことがある。それは、リリアンの相対論説明には、急な坂道が2箇所ある、ということだ。