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回路屋がおらへんのです

高橋 史忠=Tech-On!
2013/03/15 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2002年2月11日号 、pp.173-175 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 1996年夏。松下電器産業(現パナソニック)で据置型DVDプレーヤの開発が佳境に入りつつあったころ,開発を担当する光ディスク事業部では,もう1つのプロジェクトが胎動し始めていた。液晶パネルを備えた携帯型DVDプレーヤの開発である。そのキッカケとなったのは,事業部長の四角(よすみ)利和がある会議で発した開発開始の宣言。「1997年春に製品化する」。この発言を青天の霹靂(へきれき)の思いで耳にした技術者がいた。DVDプレーヤの次世代製品ラインを検討していた名本吉輝である。

 まず加わったのは「メカ」部分の開発を担当していた山口修。その後,映像関連のいわゆる「絵作り」を担当していた岩崎栄次,そして電子回路関連の開発の中心となっていた中山修三などが先行開発に参加することになった。

山口修(やまぐち・おさむ)氏
中山修三(なかやま・しゅうぞう)氏
岩崎栄次(いわさき・えいじ)氏
先行開発部隊の主な面々
松下電器産業の光ディスク事業部で,名本吉輝(なもと・よしてる)氏とともに携帯型DVDプレーヤの先行開発に携わった主なメンバー。左は山口修(やまぐち・おさむ)氏。主に機構部分の設計開発に携わった。中央は中山修三(なかやま・しゅうぞう)氏。電子回路設計を担当した。右は岩崎栄次(いわさき・えいじ)氏。液晶表示部関連を担当した。(写真:梅川イサオ,竹谷嘉子)

 これに関して,設計1課の課長として設計部隊を率いていた倉橋章は,苦笑いしながら言う。

「大変だったんですよ。設計部隊から人材を出すのは。ほんとに断腸の思いでした。でもね,名本君が泣き付きにくるわけですよ。『早うせんと…』とか,『回路屋がおらへんのですわ…』とかね。そんなことを言われても,うちかてまだ第1世代の据置型DVDプレーヤの量産も軌道に乗ってないわけやし,それで終わりじゃなく,次の製品もあるわけで」

 倉橋は続ける。

「でも,携帯型をやるのは決まっていましたし,専任で開発するメンバーがいないとできないのは分かりましたから,泣く泣く出したんですわ。仕事のできるやつを取られて,えらい苦労したのは覚えてます」

携帯型DVDプレーヤ開発の歴史
CD:compact disc  DVD:Digital Video Disc
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