「本田宗一郎という強烈な個性を失い、ホンダは普通の大会社になった」という人がいる。本書を読めば、ホンダは「本田宗一郎に代わる仕組み」を作り上げていることが分かる。著者はホンダでエアバッグを開発、その後はホンダの経営者たちと身近に接してきた。そんな経験を生かしてイノベーションの真髄を語る。
著者は仕事をイノベーションとオペレーションに分けて考える。オペレーションは95~98%の成功率を求められる。成功するためには論理と分析が必要だ。一方、本格的なイノベーションの成功率は10%にも満たない。期間も10年以上になることが多い。これを論理と分析で進めるのは無理だ。「熱意」や「想い」で進めるしかない。
会社では仕事のほとんどがオペレーションである。だからオペレーションで成功した人が上司になる。その上司がイノベーションまで論理と分析で評価してしまう。この矛盾に打ち勝たなくては、イノベーションを成功させることはできないのである。
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