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エディターズ・ノート

意外なほど面白い、「CES」の別会場

  • 蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス
  • 2013/01/16 06:00
  • 1/1ページ

 7年ぶりに、CES(2013 International CES)に参加しました。

 民生家電に関して世界最大級の展示規模を誇るCES。今回も展示規模や出展社数が過去最大となるなど、大変な賑わい。道路は混雑し、ラスベガスの公共交通機関(モノレールやバス)は、どこも長蛇の列ができていました。イベントの主役はやはり“テレビ”で、今回は「UHD」(Ultra HD)、「4K」というキーワードがそこかしこに踊っていました。

スマホの“ケース”の展示が目立つ

 久々に展示会場を回っていて、感じたことがあります。それは、以前よりも「潜ったな」という印象です。機器メーカー、特に半導体メーカーの多くが、戦略商品に関する展示を会場では示さず、ホテルのスイート・ルームや、パーティションで区切った別会場を設け、招待客のみに披露するという姿が多く見られました。

 もちろん、以前からCESと言えば、周辺ホテルのスイート・ルームを借り切って、招待客のみに次期商品を開示するということはよくありました。ただ、それでもメインホールにも展示ブースを設けて企業としての存在感を示しつつ、「プロトタイプなど次期商品は別の場所を用意しています」という、二本立てが多かった気がします。それが今回見たところ、ホテルのスイート・ルームだけ、もしくはミーティング・スペースだけに、限定してしまった例がありました。ここ数年、そうした傾向があるのかもしれません。

 逆に各展示ホールで勢いを感じたのは、スマートフォンの「ケース」など周辺機器でした。デザイン面に工夫を凝らしたケースを、様々なメーカーが展示し、それが各ホールのアクセスのいい位置に陣取っていました。あるデスクからは、「これからはケースの時代だね」といった感想も漏れていました。

 スイート・ルームなど特設会場での展示が中心になりますと、我々の取材も展示会場をつぶさに見て回るというよりも、予めアポイントメントをいただいた企業のスイート・ルームに訪問させてもらう、という格好が多くなってきます。周辺ホテルでの展示になりますと、1件の取材に往復の時間を含めて3時間程度かかることも少なくありません。限られた期間の中で、できるだけ多くの取り組みを見て回りたいのですが、どちらかというとやりづらい状況になりつつあります。CESの状況視察や調査に行かれた読者の方も、我々と同様にアポイントメントのスケジュール管理には、かなり苦労されているのではないでしょうか。

Venetianにベンチャーが集結

 一方、今回のCESで、逆に非常に効率的に面白い新技術や新商品が集結しているな、と感じたエリアがあります。CESの本会場であるLVCC(Las Vegas Convention Center)ではなく、少し離れた「Venetianホテル」の特設会場です。こちらのエリアでは、スタートアップ企業などベンチャーが集結している場所があり、「常識破りのイノベーションを引き起こそう」という企業担当者が、小さなブースを長屋のようにして展示しています。ここですと、次から次へと異なる企業の話を伺うことができます。ブースの説明員も心得ていて、短い時間で要点を説明してくれますので、情報を取得したい我々にとっても大変効率的と感じました。

 以前はこうした「別会場」の取材は、メインホールの大手メーカーのブースを見終わってから最終日にフラっと行く、というイメージを持っていました。しかし、今回のCESで、その考えを改めなければと強く感じました。「メインホール担当と別に、“Venetian専属担当”が必要。しかも1日ではとても足りない」と。

 会場に展示されていた技術には、LVCCのメインホールよりも新鮮さを感じるものがありました。携帯機器のユーザー・インタフェースの革新を感じさせるもの、新しいディスプレイ技術、生体情報を活用する新提案などなどです(関連記事を、日経エレクトロニクス 2013年2月4日号に掲載予定です)。

 来年のCESへの視察や調査を検討されている読者の方もいらっしゃるかと思いますが、Venetian(別会場)へのご訪問をオススメいたします。会期が4日あれば、ぜひ是非そのうちの1日を割くか、もしくは別の担当の方と複数で行かれるのがよいのではないでしょうか。

 我々も今回、メインホールと各社のスイート・ルーム、そしてVenetianの会場を歩き回り、CESでどのような新技術が姿を現したのか、懸命に取材してまいりました。この調査結果は、日経エレクトロニクスの2013年1月21日号に短報として、そして2月4日号に解説記事として掲載予定です。読者の皆様にとって、少しでも参考になることを祈っております。

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