一生食いっぱぐれないための エンジニアの仕事術 、椎木一夫 著、798円（税込）、新書、232ページ、光文社、2012年11月
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さらに能力要素について解説して言うには、これらは主体性・実行力・課題発見力・創造力・計画力・ストレスコントロール力などの人間力で、仕事を進める上で必要な、協調性や指導力の根源となるのだそうだ。採用の選考時にはとくに重視されるので、これから就職活動をするエンジニアの卵たちに伝えておきたいものだ。
私（評者）が個人的に身につまされたのは、「出世はしないよりした方がいい」というアドバイスだ。
椎木氏は言う。「出世というと即物的でいやらしく聞こえるかもしれません。しかし、偉くなれば自分のやりたい仕事が、思うようにできるわけですから、出世しないよりはした方がよいと思います」
出世のためには、自分が良い仕事をすることももちろん大切だが、部下を育て、上司に偉くなってもらうことも必要、というところまでは素直に納得した。しかし、このあとの椎木氏の主張はいままでの私の考えと違っていた。それは、「出世のためには、仕事以外の場での付き合いも重要です」の一文だ。実は、私は若いころ、上の者と人間関係を結ぶこと自体を不純な行為と思っていて、今も尾を引いている。会社のポストは実力のある者が就かなければならない。そのためには部下からおべっかを使うような行為は慎まなければならない、とヘンに潔癖な考えを持っているのである。
