ビジネス戦略を「これからのPLM」に関係付ける例

 ビジネス戦略が、ますますICTの活用を含む方向性は自明である。少なくとも日本の製造業が目指すべきことは、“製品を売りっぱなしにするのでなく、実市場や実顧客などの声を聴きながらサービスし、かつ次の市場を考えること”であろう。すなわち、「製品やサービスのライスサイクルにわたるマネジメント」という要件と、「PLM」というコンセプト/実現手段を密接に関係付けられるべき時代になってきた、といえる。

 言い換えると、「これからのPLM」の目的(の1つ)はビジネス戦略となり、それに従ってPLMとしての最も広いスコープ(適用範囲)を決めなければならない、ということだ。具体的には、市場(あるいは顧客先)で稼働している製品やサービスの状態・状況を直接的(M2M)、あるいは間接的(コールセンターからのサービス状況やVOC:Voice of Customer、SNS:Social Network Serviceなど)によって情報を監視・収集・分析し、源流の“もの・ことづくり”にフィードバックし、生かすことである。これは本連載第8回で触れたBigDataソリューションと、PLMソリューションの融合ともいえる。

 つまり、ビジネス戦略によってビジネスモデルが定義され、それに沿ってPLMの適用範囲の最外郭を決定、PLM戦略を策定し、必要なシステム化を図るということである。BigDataもPLMも、企業目的に対していま一つ不明確である、といわれる傾向にあるのだが、このようにすれば戦略、目的、システムの関係付けが極めて明確になされるであろう。