[4]教育プログラムとの連動

 これまでに述べたポイントを実現するには、教育の重要性が極めて高い。すなわち、前回記事で述べた「技術とは何か?」や「設計はどのような思考の順序で進めていくべきか?」「計画はどのように立案するか?」「品質とは何か?」などの根本的な教育に加え、「3次元データの活用方法」や「後工程オペレーション」「モジュラーデザイン」そして「品質工学」などの教育を行う必要がある。そうでなければ、到底効果的な開発プロセスの構築や運用は望めないのである。

 実際、前回の振り返りからも、教育すべき内容が変化していることは明らかだろう。開発プロセスに継続的改善の要素を含めるとともに、開発プロセス自体の変化に合わせて、技術者教育プログラムを変更するようなプロセスを含めておくことを推奨したい。残念ながら、多くの企業で技術者教育プログラムが更新されない、あるいは、そのタイミングが非常に遅いという状態になっているためである。

 以上、グローバルでの競争に勝っていかなければならない現在にあって、開発プロセスを構築するためのポイントを述べてみた。今後の連載では、開発プロセスにおいて重要な役割を果たすDR(特に3次元データを活用するバーチャルDR)や、試作品ではなくデジタル・モックアップに品質を作り込む方法など、3次元データプロセス改革に関する、より具体的な内容について考えていきたい。