パナソニックが挑む、パラレルリンクで生産革新

最終回:熟練要する作業も自動化

パナソニック社内における2つの適用事例

  • パナソニック モノづくり本部 パラレルリンクロボットプロジェクトチーム
  • 2013/02/07 00:00
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 前回は、我々パナソニックが開発したパラレルリンクロボットの設計思想と概要について紹介した。その中で、同ロボットが複雑で多彩な作業の自動化に使えること、製造現場のオペレーターが直接、作業のコツを手づたえで教示できるようになっていることについて述べた。最終回となる今回は、同ロボットのこうした特徴を生かして自動化を果たした社内の事例を2つ紹介する。

複雑な形状に沿わせてシートを貼る

 最初に紹介するのは、製品のケース内壁に柔軟で複雑な形状のシートを貼り付ける工程への適用例である(図1)。同工程は従来、人手によって実施していたが、その作業時間は長く、作業者の熟練度にもよるが1枚の貼り付け作業に3~6分を要していた。我々は、この工程にパラレルリンクロボットを適用することで、作業時間を1.5分に短縮。さらに、人手作業ではなくせなかったシートの破損や大きなしわなどの不良の発生を抑制し、品質を安定化させることに成功した。

図1●パラレルリンクロボットを適用したシート貼り付け工程の装置外観
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 同工程の自動化のために用意したのが、例えば4種類の樹脂製ヘラである。貼り付け対象のケースの内壁は、複雑な形状をしている。そのため、形状の異なる4種類のヘラを使い分けることで、シートをしっかりと密着させられるように配慮している。

 この自動化でポイントとなったのは、熟練作業者が行うような複雑なヘラの動きをロボットに再現させることだ。そこで、活躍したのが手づたえ教示の機能である。図2のように、熟練作業者にロボット先端をつかんでもらい、ロボット先端に装着したヘラを実作業と同じように動かしてもらうことで教示を行った。その際に配慮したのが、シートとワークの間に空気が入ったりシワができたりしないようにすることである。こうした複雑な作業を教示する場合は、軌道を幾つかに分割して行った方が効率的なので、我々は軌道を約20に分割して教示を行った。

図2●ヘラの動きの教示のイメージ
熟練作業者にロボットの先端をつかんでもらい、実作業と同じように動かしてもらうことで教示を行う。
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