さて、12月に入ってから、米ITCのSamsung社対Apple社調査 (調査番号337-TA-794)、米CAFCのApple社対Motorola社控訴審(番号2012-1548, 2012-1549)において、必須特許と差止めの問題に関して第三者の意見書が法廷に寄せられている。ITC からの要請で12月3日に米Intel社、米Sprint Spectrum社、米Hewlett-Packard社、スウェーデンEricsson社およびMotorola社から意見書が出された。12月4日には、独占禁止法を運用している米FTC(Federal Trade Commission; 連邦取引委員会)がCAFCに意見書を提出している。

 こうした意見書に目を通して分かることは、必須特許を広く使えるようにすべきとの主張と、ある条件下では必須特許の独占権を強くすべきとの主張が、立場によって分かれている点だ。主張から伝わってくる微妙なニュアンスについては、12月21日に開催のセミナー「スマホ特許訴訟が変えた知的財産権の活用術~必須特許の価値/その適正料率とは?~」で解説したい。