現在、LEDは一般照明にはあまり使用されていない。それでも、2018年までに50%以上のソケットがLEDに対応し、販売されるランプの80%以上がLEDランプになるだろう。しかし、前工程用のLED製造装置の市場は、過去2年間に見られたほどの規模には達しないだろう。2010年には19億米ドル、2011年には17億米ドルの市場規模だったが、2012年は6億米ドル程度になる。企業は、2013年後半に投資し、2014年までにLED製造装置業界は著しい(ただし限定的な)成長をする。しかし、これがLED業界における最後の大規模投資となる。その後は、市場の規模はずっと小さくなり、基本的には買い替え(交換)需要によって支えられるだけの市場になる。

 2012年から2018年にLED用半導体材料の面積は4倍になるだろう。収益は2018年に170億米ドルのピークに達する。販売量は2019年頃にピークに達するが、次の2つの要因によって、その後は少し減少し始めるだろう。まず、1個のLEDが発する光の量が大幅に増えるため、必要とされるLEDの数が少なくなる。次に、LEDの製品寿命が現在の技術に比べて大きく伸び、1年に1、2回電球を交換するのではなく、10年に1回交換をすれば済むようになる。このことは、買い替え用LEDの市場を大幅に、そして永続的に減速させることになる。

2011年までに過剰な投資

 今後5年以上LEDの製造が増え続けるのに、なぜ製造装置の市場はすでにピークを過ぎてしまったのだろうか。それは、2010年と2011年に大規模な過剰投資が行われたからだ。これは中国政府がMOCVD装置に補助金を出し、企業が市場でのポジションを確保しようと必死になったことが主な原因だ。2010年時点では、中国では市場の参加者が数社しかなかったが、これが70社ほどに増加した。しかし、多くの企業がすぐに消え去ることになるだろう。生き残った企業は、新しい装置を買うことによってではなく、失敗した企業を買収することによって生産能力を増やすだろう。