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HOMEスキルアップマネジメント日本の研究 かくあるべき > 野間口 有 氏(産業技術総合研究所 理事長)

日本の研究 かくあるべき

野間口 有 氏(産業技術総合研究所 理事長)

研究成果の提供だけでなく一緒に考える

  • 竹居 智久、中島 募=日経エレクトロニクス
  • 2012/12/21 00:00
  • 1/1ページ

 グローバル時代が始まり今まさに、世界との研究開発競争の真っただ中にある。日本のエレクトロニクス・メーカーは、従来の自前主義にこだわる体制では競 争力を維持できなくなりつつある。研究開発にかつてないほどのスピードや投資が求められるようになっているからだ。しかも近年は、気候変動や資源枯渇と いった一企業や一国家だけでは解決できない世界規模の課題も浮上している。幅広い知恵を集めて解決策を見つけだす必要性は高まるばかりだ。

 こうした中、産業技術総合研究所(産総研)に対する企業の意識が変化しているようだ。例えば企業と産総研が共同研究を行う場合、これまで企業は産総研に 「研究成果」だけを求める傾向があった。しかし最近は、企業と産総研の研究者が一緒に研究開発の戦略や新しい方向性も一緒に考えるケースが増えている。私 はこうした共同研究のスタイルこそ、本来あるべきオープン・イノベーションと考える。

 日本のエレクトロニクス産業は、製造では海外に負けたかもしれないが、ソリューションを生み出す力は負けていない。例えば、半導体の分野では、エネル ギー不足の問題などを受けて非常に低電圧で駆動するSiデバイスや高効率のパワー・デバイスが求められている。産総研は企業と一緒になって「将来どんなコ ンセプトのデバイスが必要とされるか」「それを実現するにはどのような技術がいるのか」を考えつつ、研究開発に取り組んでいる。私はそれらの成果が出たと きに、余力があれば国内で生産してもいいし、なければ他国の工場で生産してもかまわないと思っている。「製造が弱くなった」と悲観して研究開発まで諦めて しまったら、日本から新たなイノベーションは生まれない。企業は自分の殻に閉じこもらず、産総研のようなところにも積極的に声をかけていただきたい。

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