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Apple効果で身近になるか、生体認証技術

河合 基伸=日経エレクトロニクス
2012/12/10 09:42
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 「これで生体認証が身近な存在になる!」――。現時点で生体認証といえば、一部の用途に限って利用が進んでいるという印象が拭えません。しかし生体認証技術を開発する技術者によると、「近い将来に身近な存在になる」と言うのです。

 生体認証技術者が根拠にするのは、米Apple社の動きです。2012年7月に米証券取引委員会(SEC)に提出された資料で、Apple社が指紋認証技術を開発する米AuthenTec社を買収することが明らかになりました。さらに2012年10月に公開になったApple社の特許では、「iPhone」にそっくりな“handheld device”に生体認証機能が搭載されていたのです。

 こうした状況証拠から、Apple社がiPhoneなどの携帯端末に生体認証機能を搭載する可能性があると、前出の技術者は推測しています。もし実現すれば、その影響は計り知れません。タッチ・パネルや音声認識などと同様に、生体認証が一気に普及する可能性があると生体認証技術者は期待します。

 実は、Apple社がAuthenTec社を買収することで、競合他社がAuthenTec社の技術を使えなくなる可能性が指摘されています。そのため、生体認証技術を開発するメーカーには、「買収が明らかになって以降、携帯端末メーカーからの問い合わせが急増している」(国内の生体認証技術開発メーカー)状況にあります。

 Apple社の採用で生体認証が身近になるという期待感、さらにAuthenTec社の代替技術としての採用の可能性への期待感が、生体認証技術の開発メーカーを動かし始めました。その結果、スマートフォンで利用が容易な生体認証技術が次々と発表になっています(日経エレクトロニクス2012年12月10日号解説記事「Appleが触手を伸ばす、スマホ向け生体認証」を参照)。

 「Apple社が採用する生体認証技術の評判が悪ければ、我々の技術に注目が集まるはず」(国内の別の生体認証技術開発メーカー)と、既に次の展開に期待する声まで聞こえてきます。果たして、生体認証技術者の期待通りに事が進むのか。今後も取材を続けます。

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