2012年11月1~6日に東京ビッグサイトで開催された「第26回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2012)」。複合加工機など最新鋭の工作機械が出品される一方で、工具や周辺機器類などの小物類も多数出品された。その中には、ユーザーの生産効率を高められそうな、クランプやチャックも散見された。具体的には、ナベヤの「1回の操作で多数のワークを同時に固定できるクランプ」(関連記事1)、コスメックの「パレット交換のたびに必要だった位置調整を不要にできるパレット・クランプ・システム」(関連記事2)、ナカニシのブースに出展されていた「低コストで工具の自動交換を実現し得る、工具ホルダ交換式スピンドル」である。

図1●ナベヤの「マルチオートクランプ」を適用したクランプの構成例(その1)
10個のワークを1回の操作で同時にクランプできる。マルチオートクランプは、ピンとリンク機構を組み込んだ直方体のブロックで、同ブロックから飛び出した軸を押すとリンク機構によってピンが突き出してワークを固定する。軸は、ブロックを貫通できるようになっているため、各ブロックの軸(場合によってはピン)を連結することで、全ブロックの軸を一気に押せる。
図2●「マルチオートクランプ」を適用したクランプの構成例(その2)
軸の連結パターンを工夫することでさまざまなワークのクランプに使える。
図3●ゆりかご治具のクランプとしても適用可能な「マルチオートクランプ」
図4●ナベヤが出品した、負圧を利用してワークを固定する「バキュームチャック」
溝にヒモ状のOリングをはわせることで、さまざまな形状のものをより確実に吸着できるようにしている。