SPILの2012年3Qにおける連結売上高は168億4600万NTドル

 台湾Siliconware Precision Industries社(SPIL)の2012年3Qにおける連結売上高は、168億4600万NTドル(YOYで34%増、QOQで2%増)と当初見通し(2~5%増)の下限で着地。売上高総利益率はQOQで0.4%ポイント上昇の19.7%、営業利益率はQOQで0.2%ポイント上昇の11.3%と、いずれも当初見通しの下限を下回った。売上高総利益率の当初見通しはQOQで0.7~2.7ポイント上昇、営業利益率の当初見通しはQOQで0.6~2.6%ポイント上昇とされていた。

 稼働率は、パッケージングが97%(2Qは97%)、テスティングが80%(同80%)。 ワイヤボンダ関連パッケージングの売上高全体に占める銅配線比率は55.1%(2Qは46.3%)。売上高は、ファブレス顧客向けが92%、IDM顧客向けが8%(2Qは同90%、10%)。用途別の売上高構成は、通信が50%(1Qは48%)、PCが13%(同16%)、民生機器が28%(同26%)、メモリーが9%(同10%)。

4Q売上高はQOQで横ばい~3%減の見通し

 2012年4Qの業績見通しは下記の通り。
(1)売上高はQOQで横ばい~3%減(為替レートを1米ドル=29.2NTドルとした場合)。
(2)売上高総利益率はQOQで1.2~2.2ポイント低下の17.5~18.5%〔コンセンサス予想(複数のアナリストによる予想の平均値)は19.5%。SPILは金価格の0.3%の低下、対米ドルの為替レートの1.2%NTドル安、減価償却費の1.5%減、銅配線対応製品の比率の1.3%上昇を前提としている〕。
(3)営業利益率はQOQで1.3~2.3ポイント低下の9~10%程度。
(4)稼働率は、ワイヤボンダパッケージングで100%、フリップチップパッケージンで85%、テスティングで80%。 (5)用途別ではスマートフォンとタブレットPC向けの需要は引き続き強く、通信はQOQで増加、PCや民生機器、メモリー向けはQOQで低下。
(6)ワイヤボンダ関連パッケージングの売上高全体に占める銅配線比率は60%。

 SPILは、PC向けの比率が相対的に高く、携帯機器向けに弱いことから、4Q売上高の見通しはASEの見通し(QOQで3~5%増)よりも慎重になっている。

 設備投資計画については、165億NTドル(YOYで51%増)から164億NTドルに微修正。古いワイヤボンディング装置の交換を行い銅配線対応装置を導入、また主に第3世代向けLSIの需要増を背景にフリップチップ用の能力拡張を進める。2013年の設備投資計画は、110億NTドル程度の見通し。