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“80後(パーリンホウ)”の美女社長(2)

永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2012/12/10 00:00
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今回紹介する書籍
題名:21岁当总裁
著者:董思陽
出版社:東方出版社
出版時期:2008年6月

 今回も、前回に引き続き≪21岁当总裁》(日本語訳:21歳でCEO)をご紹介する。前回は本書の著者である董思陽が保険外交員や生花店でのアルバイトをしたころのことをご紹介した。今週は「21歳でCEO」となる前までの時期をご紹介したい。「大企業家になる」ことを目標とし、「行動あるのみ」を信条とする彼女はその後もひたすら前進する。

 生花店を辞めた董思陽はその後もダイレクト販売、健康器具、フットケア店のレジなどのアルバイトを転々とする。ここまでは目端は聞くがどこにでもいる女子高生にすぎなかった。ところが彼女の考えを一変させる出会いがあった。それは「アジアでの華人企業家列伝」という本との出会いだ。その本では多くの華人がアジア各地で奮闘している様が紹介されていた。この本を読んで董思陽は涙が止まらなかったという。この時の感動を彼女はこう書いている。

「私はこの本の一つ一つのエピソードを読むごとに涙を流し、また血が沸騰するような興奮を覚えた。すべての優秀な企業家はみな血と涙にまみれながらも、広い心を持った巨人と愛に満ちた天使を心のうちに備えていた。ゼロからの出発で困難に出会い自らを信じきれなくなった時も、強い意志と勇気をもって困難を乗り越えたのだ」

 彼女はこの本を読んで人生の目標と方向性を確信する。即ち「李嘉誠(1928年生まれ。香港最大の企業グループの創始者)や王永慶(1917~2008年、台湾プラスチックグループの創業者)のような優れた企業家になって、社会に貢献し、多くの人の助けになりたい」と考えたのだ。この理想を糧に彼女はその後の人生を大きく切り開いていく。

2002年、董思陽は念願だった南洋理工大学(シンガポールの国立大学、理系ではトップと目されている)に入学する。入学後、彼女は自らの商売を始めた。南洋理工大学は市街地から離れていたことに目をつけ、女子学生向けにアクセサリーを売り始めたのだ。順調に行くかに思われた商売だったが、買い付けに行った中国の義烏で詐欺にあうなど「商売の洗礼」を受け多くのことを学んでいく。

 また、ある時、学生食堂の食事がまずいことに目を付けた彼女は市街地にある海南鶏飯(シンガポールの国民的料理)のうまい店から料理を運び学内で売る手はずを整える。商売が軌道に乗った董思陽は運転手を雇って自らは動かずに海南鶏飯を学内で売るようになる。彼女はここで初めて「人を雇う」ことを覚えたという。このようにして学生の身ながら少しずつ商売を大きくしていっていた董思陽だったが、彼女の目的はあくまで「大企業家」であった。小さい商売に飽き足りなくなった彼女は多くのセミナーに通い「成功学」を学ぶようになる。

 そのような成功学セミナーのなかで彼女は一人の男性と知り合う。シンガポールの中華総商会(商会とは中国のビジネスマンの互助組織のようなもの)の副秘書長だ。彼に認められた董思陽は中華総商会に入った。彼女はここで「自分が属したい階層」を目の当たりにする。即ち「一流企業家」の階層だ。その中で彼女は彼女なりの懸命の努力をする。商会の集まりに行くと当然彼女は一番若いメンバーであるため、珍しさからか多くの人が話しかけてくる。だが、彼女が彼らの話についていけないとすぐさま彼女の前から人々は去って行ってしまう。それは趣味の話でも同じことで、ほかのメンバーが乗馬やゴルフ、はたまた海外に行ったときの話をしているときに何も言えないと「この小娘は自分たちの仲間じゃない」と認定されてしまうのだ。

 そのことを感じた彼女は本屋へ行き、ゴルフ、テニス、茶道、西洋のテーブルマナー、株、不動産、競馬、洋服のコーディネートに関する本を買い込み猛勉強する。「やったことなくても話が出た時に話についていければいいのだから」と。この姿勢には筆者はいささか違和感を覚えるが、彼女はこのようにして商会で自分の立場を得て、そのことが次週にご紹介する「起業」へとつながっていく。この、目的に対して最短の道を行こうとする姿勢は中国人全般に見て取れる。これも中国の急発展の秘密ではないだろうか。

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