ビッグデータ時代の新マーケティング思考、横山 隆治・海老根 智仁・鹿毛 比呂志著、1680円(税込)、単行本、224ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年10月
ビッグデータ時代の新マーケティング思考、横山 隆治・海老根 智仁・鹿毛 比呂志著、1680円(税込)、単行本、224ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年10月
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 このところ「ビッグデータ」という言葉をよく聞くようになった。

 IT分野で少し前まで「クラウド」が話題の中心だったが、あっちの企業もこっちの会社も導入するようになって「クラウド」は実用段階に入った。「クラウド」が先駆的未来を示す言葉ではなくなった今、もっとも注目を集めているキーワード(本書の表現を借りれば“時代のバズワード”)は、間違いなく「ビッグデータ」だ。

未来の顧客の発見法を提示

 そのビッグデータ技術をマーケティングの世界に応用したらどうなるだろう、という視点で、従来の常識とは違う、未来の顧客を発見する新しい方法を示すのが本書の内容である。

 詳しい内容を紹介する前に、ひとつお断りしておきたいことがある。

 それは、本書がマーケッターを想定読者としているので、横文字用語が多いことである。実例をひとつ挙げると、133ページに次のような文章が登場する。

「テレビCMクリエイティブの開発が前提だと、まずターゲットをしっかり固めて、ブランドのUSP(ユニーク・セリング・プロポーション)をもとに、ユーザベネフィットや訴求ポイントをエッセンスに尖らせるやり方がとられる」