ビッグデータ時代の新マーケティング思考、横山 隆治・海老根 智仁・鹿毛 比呂志著、1680円(税込)、単行本、224ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年10月
ビッグデータ時代の新マーケティング思考、横山 隆治・海老根 智仁・鹿毛 比呂志著、1680円(税込)、単行本、224ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年10月
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 紙おむつはかさばるので、ママはパパに買い物をたのみ、スーパーで紙おむつを買ったパパは、ついでに缶ビールを購入していく傾向にある、というのだ。この相関関係が分かっていれば、紙おむつの近くにビールを並べておく、という応用は誰にでも思いつく。

 ビッグデータ時代が到来し、もっとすばやく分析・応用ができるようになってきた。

 実例として本書が挙げているのは、米Amazon.com社のスピーディーで正確なリコメンデーション、ぐるなびが行っている分析速度の向上によるパフォーマンスの改善、KDDIや楽天の包括的な活用などである。

 しかし、実際にビッグデータを解析するためには、プロの手が必要だ。ここで技術者の出番である。

 本書には、「データサイエンティスト」、「ITビジネスアーキテクト」、「アプリケーションスペシャリスト」、「デジタルCMO」などの耳慣れない職種が登場し、しかも、この種の人材は不足している、と教えてくれる。

 また、分析のためのアプリケーションとして、影響度分析アプリケーション、推奨リスト作成アプリケーション、予測アプリケーション、洞察アプリケーション等の代表例を挙げてくれている。

 あなたが転職先を探していても探していなくても、「データサイエンティスト」を目指すのは、良い選択かもしれない。

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■著者紹介
浅沼ヒロシ(あさぬま・ひろし)
ブック・レビュアー。
1957年北海道生まれ。
日経ビジネス本誌、日経ビジネスオンライン連動企画「超ビジネス書レビュー」(2011年9月終了)のほか、「宝島」誌にも連載歴あり。
ブログ「晴読雨読日記」、メルマガ「ココロにしみる読書ノート」の発行人。
著書に『泣いて 笑って ホッとして…』がある。
ツイッターアカウント:http://twitter.com/syohyou