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フォックスコン深セン工場を一周してみた

山田 泰司=EMSOne
2012/11/26 00:00
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 2012年11月のある週末。出張で訪れた広東省深センで、半日のフリータイムが取れた。そこで迷わず、電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕の工場に向かった。

 同社は米Apple社のスマートフォン「iPhone」の主力工場を2011年8月から河南省鄭州に移したが、初代からiPhone 4までは、ここ深センで製造していた。

 最大時で40万人もの従業員が働き、敷地内には工場や従業員寮はもちろん、ショッピングモールや病院、映画館、学校、競技場まであるこの製造拠点を、中国の人々は「城中城」、すなわち「都市の中に都市がある」と称する。かねがね、この巨大工場のスケールを体感するため、工場の回りをぐるりと一周、自分の足で歩いてみたいと思っていたのだ。

 フォックスコンの深セン工場は、宝安区龍華、宝安区観瀾の2カ所に分かれており、それぞれに最大20万人が働いていると言われる。この日向かったのは主力の龍華工場だ。

 都心部から北に向かってタクシーを飛ばし、30分弱で着く。フォックスコンは中国で「富士康」という名前で展開しているのだが、正門に近いという「龍華富士康」というバス停で降ろしてもらう。

 すぐに「FOXCONN」と書かれた工場建屋が見える。ただ、正門の数百メートル手前に検問所があり、警察の車両も数台と、警備が厳しい。検問所に設置された自動改札のような機械に身分証をかざして正門に向かっていく従業員らを遠目に眺めながら、こちらも工場一周をスタートする。

フォックスコン深セン龍華工場の隣にある「釣魚島」(尖閣諸島)という名の串焼き屋跡

 歩き出していきなり、「釣魚島」の文字と、赤い国旗のようなものが視界の端をかすめた。釣魚島とは尖閣諸島の中国名のこと。なんだなんだ? と思って視線をやると、島の中央に中国の国旗を立てたイラストに「釣魚島自助焼烤城」と書いた巨大な看板を掲げている店がある。串に刺した肉、魚、野菜などを自分で焼くセルフの串焼き屋だ。ただ、店が入居する広場全体が取り壊されるようで、串焼き屋も既にもぬけの殻になっていた。

 尖閣列島を巡って中国では2012年9月、各地で反日デモの嵐が吹き荒れたが、深センはデモに参加した人数も多く、破壊行為も激しかったと聞く。デモの参加者らは町を練り歩いた帰り道、この店で串焼きをほお張りながら気勢を上げたりしたのだろうか。

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