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エディターズ・ノート

「節電の夏」の思わぬ波紋

  • 大下 淳一=日経エレクトロニクス
  • 2012/11/02 10:00
  • 1/1ページ

 「今年の夏、実験を始めようと思ったら急にアラームが鳴りましてね。弊社の1日の許容電力量の上限を超えるから、代わりに館内のエアコンを止めるっていうんです…。あわてて実験をいったん中断しました」。

 最近、半導体露光装置のある光源メーカーを取材する機会がありました。その際、東日本大震災以降、日本で続いている節電の思わぬ波紋に触れました。

 取材先の企業は、次世代の露光技術として期待を集めるEUV(extreme ultraviolet)露光装置向けの光源を開発中です。この開発では、強力なEUV光を発生させるために出力が数kW以上のレーザ光が必要なのですが、このレーザ出力を得るためにはさらにその数十倍の電力を投入しなければなりません。これほどの大きな電力を消費するため、EUV露光装置を設置するクリーン・ルームには専用の変電設備が必要になるとさえ言われています。

 EUV露光技術については現在、露光装置のスループットを上げるための光源の高出力化が、実用化の大きな課題となっています。取材先の企業も今夏、高出力化に向けた技術検証を行おうとしていました。その目的でレーザ装置を立ち上げたところ、許容電力量を超えるとの警告が鳴ったというわけです。

 この事例から想像されるように、製造装置がズラリと並び、24時間稼働している半導体工場では非常に大きな電力が消費されます。半導体メーカーにとって、電力の供給不安や値上がりは極めて深刻な問題というわけです。

 2012年7月に電子情報技術産業協会(JEITA)の半導体部会長に就任した齋藤昇三氏(東芝 代表執行役副社長 電子デバイス事業グループCEO)は、「電力の低コストかつ安定的な供給を政府に要請していく」と就任記者会見で語りました(Tech-On!関連記事)。これは半導体部会長としての発言ではありますが、東芝の半導体部門トップとしても、現在の日本の電力事情は悩ましい問題であるに違いありません。同社は中核事業の一つであるNANDフラッシュ・メモリの製造工場を日本に持ち、膨大な電力を消費するEUV露光装置のポテンシャル・ユーザーでもあるのですから(原子力発電をもう一つの中核事業にしているという点で、電力事情によりダイレクトに関わる問題にも直面しているわけですが…)。

 現国会の解散が迫る中、次の選挙でどの政党が政権を握り、電力問題に対してどのような政策を進めていくのか。このことは、日本における半導体製造の未来を左右するファクタともなりそうです。冒頭でご紹介した光源メーカーへの取材内容については、次世代の半導体製造技術に関する日経エレクトロニクス2012年11月26日号の解説記事でご紹介する予定です。ご一読くださいましたら幸いです。

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