民生向けや、産業機器向けを問わず、世界的な競争力が高いとされる日本の部品メーカー。2012年1月、パナソニックがデバイス事業部門(パナソニック エレクトロニック デバイスとセミコンダクター社、三洋電機とパナソニック電工の一部など)を統合したパナソニック デバイス社が発足した。売上高は約1兆4000億円と、部品/デバイスを専門に手掛ける事業体としては、世界有数の規模を誇る。「シェア上位の事業にリソースを集中投下する」という同社の動きは、日本の電子部品メーカーの行く末を考える上で興味深い。同社トップに就任したた小林俊明氏のインタビューを2回に分けて掲載する。(聞き手は蓬田 宏樹、大久保 聡=日経エレクトロニクス)
─部品関連企業としては、世界最大級の事業体となった。
デバイス社の販売金額は、パナソニック・グループで第2位の規模である。極めて大きな事業だと認識している。
規模が大きくなったとはいえ、今後も我々が大事にしているポリシーは継続していきたい。デバイス社の中核の一つであるパナソニック エレクトロニック デバイス(旧松下電子部品)は、その創業当時から、「お客様にとって価値ある部品を提供し、それによってお客様のセット事業が大きく成長する」という考え 方を根底に、事業を進めてきた。松下電器産業の創業者の考えに、「よいセットは、よい部品があって初めて実現できる」というものもあるが、こうしたコンセ プトが我々の支えであり、今後も大事にしていきたい。
その一方で、変えなければならない部分もある。代表例が「我々の勝手な思い込みで製品を作ること」だ。