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クルマ 自動車の最新技術を追う
 

Liイオンかキャパシタか

鶴原 吉郎=日経Automotive Technology
2012/10/30 12:00
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 クルマの燃費を向上させるために、減速時の運動エネルギを活用する動きが目立っています。日産自動車は、2012年8月にミニバン「セレナ」を一部改良し、オルタネータを発電だけでなく駆動モータとしてエンジンを補助する「S-HYBRID」と呼ぶ機能を加えました。これは、減速エネルギを鉛2次電池に蓄え、電装品の電源と駆動力の補助に使うというもので、JC08モード燃費を約4%向上させています。

スズキは、2012年9月に発売した新型「ワゴンR」に、新開発の減速エネルギ回生機構「エネチャージ」を搭載しました。JC08モード燃費を5%程度向上させる効果があるとしています。さらにマツダは、ことし秋に発売予定の新型「アテンザ」に、キャパシタを使った減速エネルギの回生システム「i-ELOOP」を採用することを表明しています。加減速が頻繁にある実用走行で、燃費を10%向上させる効果があるといいます。

 スズキとマツダが、それぞれLiイオン2次電池とキャパシタという新しい2次電源を採用したのは、どちらも鉛2次電池よりも大電流の受け入れ性が高いからですが、ここで両社の判断が分かれたのは、やはりコストだったようです。キャパシタは充電が進むにつれて充電電圧を上げる必要があり、可変電圧式のオルタネータを採用する必要があるほか、放電時にも放電が進むにつれて電圧が下がるという特性があるため、電圧を安定させるためのDC-DCコンバータが必要です。

 スズキがエネチャージを搭載する車種は軽自動車で、コストに厳しいため、可変電圧式のオルタネータやDC-DCコンバータによるコストアップを避け、Liイオン2次電池を採用しました。

 ただし、キャパシタは容積や質量当たりの単位時間当たりの電力受け入れ量が最も多いため、それだけ多くの電力を回生できるという特徴があります。電力を多く回生できれば、その分燃費の向上につながるため、マツダはコスト上昇に見合うメリットがあると判断してキャパシタを採用しました。

 つまり現状では、採用コストはキャパシタ>Liイオン2次電池>鉛2次電池ということになりますが、その分、燃費向上効果もキャパシタが一番大きいという、ある意味当たり前の結果になっています。ただ、Liイオン2次電池やキャパシタのコスト低減も着実に進んでおり、今後もこの構図が変わらないとは限りません。

 「日経Automotive Technology」は11月末発行の2013年1月号の解説記事で、こうした減速エネルギ回生システムの最新動向を詳細に紹介します。ぜひご覧ください。

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