材料や太陽電池に広がる環境悪化

 電子部品・電子材料も、Apple関連を手掛けない分野や企業は、事業環境がさらに厳しくなっている印象である。その最たるものが太陽電池。キャッシュ・コスト割れによりいったんは下げ止まった製品価格は、あまりに大きな需給ギャップにより再び値崩れしている。Siウエハー、多結晶Siといった川上原材料も類似した状況となっており、価格が下がっても需要が喚起されず、収益がさらに低下する悪循環に陥っている。DRAMも、しかりである。同じく大幅な供給過剰であるLEDは、LEDバックライトや照明など需要側が比較的堅調なため、極端な値崩れは起こっていない。逆に、在庫圧縮を進め生産能力の増強投資を控えてきた大型液晶パネルに関しては、中国需要の堅調さも手伝って、価格が安定、需給も均衡から若干逼迫した状況が続いている。

 中国の国慶節商戦(前後期間含む)は概ね好調裏に終わった模様。液晶テレビの販売台数はYOYで1割弱の伸びとなり、主要ブランド側の計画合計に近い水準に達した。日中間の政治問題によって日本ブランドは軒並みYOY-40%を超える大幅減になったと見られるが、その分を韓国ブランド(韓国Samsung Electronics社、韓国LG Electronics社)や中国ローカル・ブランドが埋め、全体では想定通りの状況となった。セット・ブランドは、11月下旬から12月上旬には再び旧正月向け製品の仕込みを行わねばならず、全体では閑散期に相当する11月~2013年2月の間に需給が大きく崩れるリスクは低下したと考えられる。