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私が好きな本:現場の技術者が考えてほしいのは「技術の出口」と「顧客」

私が好きな本:現場の技術者が考えてほしいのは「技術の出口」と「顧客」

ビジネスモデル・ジェネレーションビジネスモデル設計書、Alexander Osterwalder、Yves Pigneur著、小山 龍介訳、2,604円

高須 秀視氏=ローム 常務取締役 研究開発本部長
2012/11/03 00:00
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ローム 常務取締役 研究開発本部長、高須 秀視氏。1971年立命館大学理工学部卒業後、東洋電具製作所(現・ローム)入社。デバイス開発部長、VLSI研究開発部長、取締役を経て、2009年10月から現職。
ローム 常務取締役 研究開発本部長、高須 秀視氏。1971年立命館大学理工学部卒業後、東洋電具製作所(現・ローム)入社。デバイス開発部長、VLSI研究開発部長、取締役を経て、2009年10月から現職。
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ビジネスモデル・ジェネレーションビジネスモデル設計書、Alexander Osterwalder、Yves Pigneur著、小山 龍介訳、2,604円(税込)、288ページ、翔泳社、2012年2月
ビジネスモデル・ジェネレーションビジネスモデル設計書、Alexander Osterwalder、Yves Pigneur著、小山 龍介訳、2,604円(税込)、288ページ、翔泳社、2012年2月
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 技術だけではもう、勝てる時代ではない。もちろん技術がなければ何も始まりませんが、技術をどう生かすかという戦略的なアプローチが何より重要な時代に突入しています。

 振り返れば、日本の半導体産業は戦略の無さで負けました。エレクトロニクス業界も、このまま行くと5年後には中国に牛耳られてしまいそうです。さらに、自動車産業も、うかうかしてはいられない状況です。

 「顧客は誰か」─。今、顧客について改めて見つめなおし、“技術の出口”をしっかり想定した戦略を立てることが求められています。戦略は経営者層が考えるべきという意見もありますが、ぜひ現場も技術の出口を常に考えておいてもらいたい。顧客の顔を思い浮かべて研究開発を進めることが、戦略を立てる上で重要な第一歩になるからです。

 現状では、技術の出口を意識して研究開発に取り組める技術者はほとんどいません。そこで、お薦めするのが『ビジネスモデル・ジェネレーション』です。表紙がマンガでびっくりしますが、内容は分かりやすく大変参考になります。気付いてもらいたいのは、顧客には“層”があるということ。目の前に見えている顧客だけでなく、その顧客やサプライヤーといった、これまで付き合いのなかった顧客層も考えることがとても大切、ということです。我々は、暗黙のうちに「顧客はここだ」と考えてしまう。本書は、既成概念を捨てて顧客の上流から下流までをイメージさせてくれる。そして、顧客が求める価値を提供できれば、他社を圧倒できる。

 本書には、幾つもの格言が収蔵されています。中でも、私が気に入っているのが「ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの」という言葉です。これを読んで私は、「部品ではなく、価値を提供するんだ」という考えを再確認できました。

 新しい価値の提供について考えるなら、『イノベーター』(Craig Hickman著、早川書房)が参考になります。サスペンス小説で内容は企業の乗っ取りやスパイといったものですが、企業を生き残らせるための戦略の立案は絵空事ではありません。企業は常に新しい価値の提供に向けて邁進すべし、というメッセージが暗示されている。私は、今回紹介した2冊を一緒に読みました。(談、聞き手は日経エレクトロニクス)

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