先日、「第8回 日本TRIZ シンポジウム 2012」(主催日本TRIZ協会)が東京都内で開催されました(Tech-On!関連記事12)。日本に紹介された当時は注目を浴びたものの、その後「難しい」、「使えない」といった声を時折耳にするようになったTRIZですが、実は導入企業はじわじわと増えているようです。TRIZの導入支援などのコンサルティングを手掛けているアイデア(本社名古屋市)の代表取締役前古 護氏によると、近年は大企業での導入機運が一巡して、特に中堅・中小企業が関心を寄せ始めているといいます。

 実際、シンポジウムでは、品質機能展開(QFD)と組み合わせて使うことで小型化に成功した事例などが報告されていました(Tech-On!関連記事)。上記記事のように、他の手法と組み合わせて使うことで、より実践的な活用が可能になるといいます。部品点数の削減や製品改良などといった、より実務的な課題解決手法として使われているようです。さらに、TRIZをヒット商品の企画に使えないかといった検討も進められていました。日本に上陸してから10年以上が経過し、画期的な発明を生み出せる「魔法の杖」のようなといった当初のイメージから脱却して、課題解決のための思考支援という地に足の付いた実践的ツールとして使われてきているようです。

 このように、実務レベルでの活用が進み始めているTRIZですが、課題もあります。それはTRIZに関心を示す層が高年齢化してきていること。TRIZ シンポジウムでも、“若手にTRIZを広め・伝えていくにはどうすればよいか”がテーマの1つとなっていました。どうも「難しい」「使えない」といった印象が強く、若い技術者らは敬遠しがちのようです。その点で、対照的なのが韓国。前古氏によると、Samsungなどがグループを挙げて積極的に導入に取り組んでおり、製品開発の武器にすべく次々と若手技術者に研修を受けさせているとのこと。技術に限らず新しいもの・良いと思ったものをどんどん取り込んでいこうとする彼の国の貪欲さが、そんなところにも現れているようです。

 というわけで、ここからは宣伝です。日本の技術者の方にも今のTRIZを知っていただきたくセミナーを企画いたしました(詳細はこちら)。いくつもの企業導入や研修を手掛けた前古氏が実践的なTRIZの効果と使い方の基本を伝授します。新しい武器を身に付けるべくTRIZの神髄に触れてみて下さい。