情報を作るWebはともかく、物を作る工場。消費者のお側で仕えなければ意味が無い。工場は消費者の身近にいてお世話をしなければならない。不具合、変更、更新、破棄、再生。しかも、現在は孤立化に起因する工場による障害が多発している。JIT(Just In Time)に起因する交通障害、物やエネルギー輸送に伴うロス、工場の破棄物および消費者の破棄物の処理の問題。何より、孤立した場所で働く親の姿を知らない子供たちの出現。

 20世紀が大量消費なら、21世紀は3R(Reduction, Reuse, Recycle)の時代である。都市の破棄物を3Rしなければならない。それなら、工場は街に出て行かなければならない。町と同化した工場、それが21世紀の工場である。街が消費した物を生産に回し、生産された物を起点に消費者の要望に応えるサービスを提供する。そして、生産者と消費者の区別が消滅していく。それがトフラー先生の予測したプロシューマー(Producer+Consumer)の世界なら、工場は街に出て行かなければならない。

 街に出た工場は、いずれ家庭に入ってくる。消費するための電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機が再生するための家電に変わっていくかもしれない。待てよ、洗濯機は再生が仕事である。既に工場は家庭に入ってきている。次は燃料電池だろうか。都市ガスではなく、生ごみから生じるガスで発電してくれれば発電所が家庭に入るという本稿の趣旨が完結する。21世紀、乞うご期待。