「LinkedIn」という、ビジネス・プロフェッショナルのためのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を立ち上げた。日本でも既に利用している方は少なくないだろう。本書は、LinkedInを立ち上げた背景にもなった、僕のビジネス哲学をまとめたものだ。
LinkedInを設立するきっかけになったのは、僕がPayPalというインターネット決済に関する企業で取締役をしていた頃の出来事である。当時僕は、PayPalの事業を日本市場にも拡大すべく、日本事務所を立ち上げるミッションに取り組んでいた。当時としては非常に新しい革新的なサービスだったので、やるべきことがたくさんあり、多忙を極めていた。
業務に追われながらも、必死で日本市場に詳しい知己を探り、アドバイスを請うていた。なにしろ僕は、日本で事務所を設立することに関しては、知らないことが多かったからね。たくさんの人に電話をかけ、ようやく素晴らしい人に出会い、適切なアドバイスをもらうことができた。デジタルガレージ 共同創業者の伊藤穰一氏(現在はMITメディアラボ 所長でもある)である。彼にコネクトできたことで、日本事務所を設立できたと言える。
人と人のコネクションというのは、ビジネスを効率化する上で非常に重要だと、この時に強く感じた。これがきっかけで、プロフェッショナル向けSNSは、需要があるに違いないと悟ったのである。