ですが、photokina 2012の全体を見渡すと、今回は各社が多くの新製品を披露した“豊作”の年でした。特に勢いよくアピールしていたのが、韓国Samsung Electronics社の「GALAXY Camera」でした( Tech-On! 関連記事)。Samsung社のブースにはGALAXY Cameraが100台以上並べられ、多くの来場者が押し寄せる様子が印象的でした。
Samsung社のブース。左側に「GALAXY Camera」を、右側にミラーレス・カメラなどを展示しているが、人気の差は一目瞭然

 GALAXY Cameraとは影響力で比べ物になりませんが、あるベンチャー企業もphotokinaに初めて乗り込んでアピールをしていました。

 「ヨーロッパでも販売を検討している。だからphotokinaに来たんだ」――。

講演する米Lytro社Director of PhotographyのEric Chang氏
 こう力強く言い放ったのが、米Lytro社のEric Chang氏(同社 Director of Photography)です。同社は、撮影後にピント位置を変更できるカメラ「Lytro」を米国内で2012年春に発売し、大きな注目を集めている企業。

 この10月からは、オーストラリアやカナダ、香港、シンガポールでも販売が決まっており、いよいよ世界進出を果たそうとしているのです。そこで、LytroのEric氏にphotokinaの会場で日本での発売について聞いてみました。

 「日本も魅力的なマーケットだ。スケジュールは明らかにできないが、ぜひ日本にも投入してみたい」

 同社は、販売拡大だけでなく機能の追加も積極的に進めていくそうです。「今は写真のピント位置を変えるだけだが、Lytroの技術を用いれば、3Dや全ての位置にピントが合っている写真、さらには動画の生成も可能だ。Lytroが“Camera 3.0”の時代を作るんだ」(Eric氏)と目を輝かせます。フィルム・カメラの“Camera 1.0”、デジタル・カメラの“Camera 2.0”を経て、カメラは次の世代へ進むのか、楽しみです。